星間物質の進化と星形成
星間物質
宇宙の星間空間には希薄な物質に満たされています。それらはガスと塵からなり、星や惑星の材料となります。星の死は宇宙に様々な種類の重元素をもたらし、次の世代の星やそこで生まれる生命の源となります。
分子雲形成
高温低密度の原子ガスが衝撃波などで圧縮され、内部に低温高密度の原子ガスが生まれます。その内部で、分子ガスが作られると考えられています。
巨大分子雲の形成と進化
巨大分子雲は大質量の星や星団を作る母体ですが、その形成や進化の過程はまだよくわかっていません。近傍の銀河に対するサーベイ観測から、統計的手法でその進化を調べるプロジェクトが進んでいます。
超新星残骸
核融合の燃料を使い果たした大質量星は、ドラマチックな死を迎えます。超新星爆発により発生した衝撃波は周囲の星間物質に大きな影響を与え、また宇宙線を高エネルギーまで加速する駆動源になると考えられています。
銀河中心
銀河系の中心部には超大質量のブラックホールが潜んでいることが知られています。その周囲も特異な環境にあります。星間物質の観測から、これらの謎を調べています。
星形成
星は星間物質が自己重力によって高密度に集中することによって形成します。
小質量星形成
銀河の大部分の星は、太陽のような質量の小さな星です。その起源を知ることは、我々の太陽系の成り立ちを知ることでもあります。比較的近くにある分子雲の中でも多くの小質量星が誕生しているので、その様子を詳しく観測することが可能です。
大質量星形成
太陽より8倍以上の質量を持つ大質量星は、強い紫外線を放ち、周囲の星間物質を電離します。また超新星爆発により莫大なエネルギーを放出し、重元素を星間空間にまき散らします。しかしその誕生は未だ謎に包まれています。